2026年7月29日(水)開催 FINANCE CONFERENCE「金融機関が直面するサイバー脅威の進化と求められるセキュリティ対策」開催レポート

2026年09月08日 12時00分 2026年7月29日開催イベント イベント開催レポート

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2026年7月29日(水)、株式会社セミナーインフォ主催のFINANCE CONFERENCE「金融機関が直面するサイバー脅威の進化と求められるセキュリティ対策」が開催されました。
AIの急速な進化によってサイバー攻撃が高度化・高速化する一方、金融機関には金融庁「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン」への対応やオペレーショナルレジリエンスの確保など、より複雑なリスク管理が求められています。

本イベントでは、こうした環境変化を背景に、サイバーセキュリティの第一線で活躍する有識者が登壇しました。AI時代における脅威ハンティングやエンドポイント管理、AIエージェント活用を支えるデータガバナンス、生成AI利用に伴う情報漏洩リスクへの対策など、AIとセキュリティが交差する重要テーマが幅広く取り上げられました。さらに、フロンティアAIがもたらす脅威の変化と「守りのAI活用」、量子コンピューター時代を見据えた耐量子暗号(PQC)への移行など、金融機関が中長期的な視点で向き合うべきテーマについても議論されました。

経営・リスク管理から日々のセキュリティ運用、将来を見据えた技術対応まで、金融機関がいま押さえておきたい論点が凝縮されたイベントとなりました。本レポートでは、各セッションで語られたポイントをご紹介します。

金融業界を取り巻くサイバーセキュリティの現在地

株式会社Armoris
取締役専務/CTO
鎌田 敬介 氏

株式会社Armorisの鎌田敬介氏が登壇し、AIの急速な進化によって大きく変わりつつある、金融業界のサイバーセキュリティの現在地について解説されました。

講演では、AIによる自律型攻撃や脆弱性探索の高度化をはじめ、委託先・再委託先まで含めたサプライチェーンリスク、AI関連ツールやライブラリに潜むリスクなど、金融機関が直面する脅威の変化が紹介されました。特に、AIによって攻撃や脆弱性探索の並列化・高速化・スキル補完が進み、これまで以上に短い時間軸での対応が求められていることが語られました。

こうした環境変化に対し、従来のサイバーセキュリティ対策を単純に置き換えるのではなく、既存の枠組みにAIの要素を組み込み、経営課題として意思決定や業務プロセスを見直す重要性も示されました。さらに、守る対象を自社だけでなく委託先やサプライチェーン、AIエコシステムまで広げ、リスクベースで優先順位を付けながら、守る側もAIを活用して技術を高度化していく必要性が語られました。

AI時代、金融機関を狙うサイバー脅威:「検知して対応」では間に合わない理由

タニウム合同会社
シニアディレクター、カスタマーサクセスエンジニアリング
カスタマーサクセス本部
情報処理安全確保支援士、CISSP
石鍋 洋一 氏

タニウム合同会社の石鍋洋一氏が登壇し、AIによってサイバー攻撃のスピードや手法が変化する中、金融機関に求められるエンドポイント管理とサイバー防御のあり方について解説されました。

講演では、EPP/EDRなどによるアラート検知だけでは捉えきれない攻撃を念頭に、既知の脅威を待ち受けるだけでなく、端末の希少な挙動や通常時との差分などから怪しい動きを探る「脅威ハンティング」の重要性が語られました。さらに、ログだけに依存せず、実際の端末の状態や設定、痕跡を横断的に確認するという視点も示されました。

その土台として強調されたのが、資産の可視化やパッチ適用、脆弱性の把握といった「サイバーハイジーン」でした。膨大なエンドポイントを抱える環境では、ポリシーを適用して終わるのではなく、実際に端末がどのような状態にあるのかを継続的に把握すること、さらにAIを活用して能動的なリスク調査や脅威ハンティングにつなげる考え方や、AIに「この環境で緊急度の高い脆弱性を洗い出し、是正すべき優先度を示して」と問いかけると、全エンドポイントをリアルタイムに捜査し結果を整理して返す、Tanium Atlasが紹介されました。



\このセッションの動画をFinlinkにて公開中です/
ご覧いただくことで、以下の内容をさらに深く学べます。

・「検知して対応」だけでは捉えきれない攻撃と脅威ハンティングの考え方
・金融機関の防御基盤となるサイバーハイジーンとエンドポイント管理
・AIを活用した端末状態の把握、リスク調査・分析の高度化
・膨大なエンドポイントを迅速に可視化・統制するためのアプローチ


動画視聴はこちらhttps://finlink.tech/blog/59.html

AI・エージェント時代のデータガバナンス

AvePoint Japan株式会社
VP, Head of Sales depertment
坂手 義信 氏

AvePoint Japan株式会社の坂手義信氏が登壇し、AIエージェントの活用が広がる中、金融機関が安全にAIを活用していくために求められるデータガバナンスについて解説されました。

講演では、AIエージェントは生成AIとは異なり、事前に設定された作業を自律的に判断・実行するため、「どこに存在するのか」「誰が所有しているのか」「どのデータを、どの権限で参照するのか」まで把握する必要性が示されました。さらに、利用されなくなったエージェントも含めたライフサイクル管理や権限の棚卸しなど、エージェントガバナンスの重要性が語られました。

また、AIエージェント導入においては、データ品質やROIに加え、「報告と監査」が重要な論点として紹介されました。エージェントの数や所有者、権限が把握できなければ監査対応も難しくなることから、AI活用を進めるうえでは、データだけでなくエージェントそのものを可視化・統制できる体制が求められることが語られました。


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ご覧いただくことで、以下の内容をさらに深く学べます。

・生成AIからAIエージェントへ移行することで変わるガバナンスの論点
・金融機関に求められるAIエージェントの所有者・権限・データの管理
・AIエージェント活用における監査・アカウンタビリティへの対応
・AI Agent時代を見据えた 3R+O フレームワーク


動画視聴はこちらhttps://finlink.tech/blog/60.html

AIが加速するサイバー攻撃と、
金融機関でのAI利用におけるセキュリティ対策

A10ネットワークス株式会社
プロダクトマーケティングマネージャー
水野 正和 氏

A10ネットワークス株式会社の水野正和氏が登壇し、AIの普及によって変化するサイバー攻撃と、金融機関が生成AIを利用する際に求められるセキュリティ対策について解説されました。

講演では、生成AIの業務利用が進む一方、利用ガイドラインを定めるだけでなく、その遵守状況を監視・統制する必要性が語られました。特に、許可されていないAIを利用する「シャドーAI」や、プロンプトインジェクション、個人情報などの入力による情報漏洩リスクが取り上げられ、ユーザーと生成AIの入出力をチェックする「AIファイアウォール」による対策が紹介されました。

さらに、金融業界でも広く利用されるAPIを狙った攻撃について、単発の攻撃を防ぐだけではなく、攻撃者の行動を継続的に捉えてリスクを評価するアプローチが解説されました。シャドーAPIやゾンビAPIへの対策を含め、組織内外の脅威にどう備えるかが語られました。



\このセッションの動画をFinlinkにて公開中です/
ご覧いただくことで、以下の内容をさらに深く学べます。

・生成AI利用におけるガイドラインの実装・統制方法
・AIファイアウォールによるプロンプトや入出力情報の保護
・シャドーAI、プロンプトインジェクション、情報漏洩への対策
・APIを狙う攻撃と、攻撃者の振る舞いに着目した防御アプローチ


動画視聴はこちらhttps://finlink.tech/blog/61.html

フロンティアAI時代の金融サイバーセキュリティ
~金融機関が直面するサイバー脅威の進化と求められるセキュリティ対策~

GMOあおぞらネット銀行株式会社
執行役員 CIO兼CISO
金子 邦彦 氏

Trust株式会社
リスクアドバイザリー本部 セキュリテイコンサルティング部 部長 ディレクター
布施 浩巳 氏

GMOあおぞらネット銀行株式会社の金子邦彦氏とTrust株式会社の布施浩巳氏が、フロンティアAIの進化が金融機関のサイバーセキュリティに与える影響と、今後求められる防御のあり方について対談されました。

その中で、AIによって脆弱性の発見や攻撃の自動化が進み、攻撃のスピードが増すとともに、攻撃者の裾野が広がる可能性が指摘されました。そして金融機関に求められるのは、AIによる新たな脅威だけに目を向けるのではなく、資産管理や境界防御、脆弱性対応といった既存の対策を改めて徹底することだと語られました。

さらに、限られた人的リソースの中で「何を優先して守るのか」を明確にする重要性や、既存の技術者をサイバー人材として育成する考え方、サイバーセキュリティを技術課題ではなく経営課題として捉える必要性についても議論されました。AIによる攻撃の高速化に対抗するため、守る側もAIを活用し、人は最終的なチェックを担うという将来像も語られました。

金融ISACにおけるPQC移行ガイドとSMBCの取組み

株式会社三井住友銀行
サイバーセキュリティ統括部 ダイレクター
一般社団法人金融ISAC
FintechセキュリティWG 座長
福田 健太 氏
株式会社三井住友銀行/一般社団法人金融ISACの福田健太氏より、金融ISACが策定した金融業界向けPQC移行ガイドの最新版を踏まえ、耐量子暗号(PQC)を巡る国内外の動向と、SMBCにおけるPQC移行に向けた取り組みが紹介されました。

講演では、将来の量子コンピューターによって既存の暗号が解読されるリスクに加え、現在収集した暗号通信を保存しておき、将来解読する「Harvest Now, Decrypt Later(HNDL)攻撃」が取り上げられました。
長期間にわたって保護すべき重要な情報を扱う金融機関にとって、PQCへの移行を経営課題として捉え、早期に着手する必要があることが語られました。

タニウム合同会社によるブース展示

会場では、タニウム合同会社によるブース展示が行われました。「AI×リアルタイムで、ITとセキュリティを一つに。」をテーマに、「Tanium エンドポイント統合管理プラットフォーム」が紹介されました。

Tanium(タニウム)は、AIとリアルタイムのエンドポイントインテリジェンスを活用し、IT運用とセキュリティを単一のプラットフォームで統合管理するソリューションを提供しています。金融機関をはじめとした大規模・高要件環境における、事業継続性と信頼性の向上を支援するソリューションとして紹介されました。

フューチャー株式会社によるブース展示

会場では、フューチャー株式会社によるブース展示も行われました。「日経電子版でも話題。1,124万件のデータで『真に危険な0.06%』へ自動トリアージ。金融庁の監査に即答できる、説明可能な次世代脆弱性管理プラットフォーム。」をテーマに、脆弱性管理クラウドサービス「FutureVuls」が紹介されました。

「FutureVuls」は、AI進化やNVD運用変更に伴う大量のアラートに対し、「SSVC(リスクベース評価)」を用いて、真に対応すべき脅威を自動で絞り込む純国産の脆弱性管理クラウドサービスです。検知からタスク指示までを一気通貫で自動化し、金融庁ガイドラインが求める客観的なエビデンスと全社ガバナンスを強化するソリューションとして紹介されました。

 

Rubrik Japan株式会社によるMOVIE放映

イベント中には、本イベントのMOVIEスポンサーであるRubrik Japan株式会社による動画の放映も行われ、参加者は同社が提供するデータセキュリティに関するソリューションや取り組みについて理解を深める機会となりました。

交流会

全セッション終了後には交流会が開催され、講演企業と参加者による活発な情報交換が行われました。講演内容を踏まえた質問や意見交換、名刺交換などを通じて、セッションだけでは得られない交流の機会となりました。また、参加者同士でも情報交換が行われ、金融機関が共通して向き合うサイバーセキュリティのテーマについて交流を深める場となりました。

AIによるサイバー脅威の変化から、データガバナンス、エンドポイント管理、生成AI利用時のセキュリティ、PQC移行まで、多岐にわたるテーマが取り上げられた本イベント。金融機関を取り巻く環境が大きく変化する中、今後のサイバーセキュリティ対策を考えるためのさまざまな知見が共有され、盛況のうちに幕を閉じました。

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今後の開催イベントはこちらから:https://si-forum.jp/